平成30年2月
高岡市民病院事務局

平成29年度高岡市民病院経営懇話会の概要

  1. 日 時 平成30年2月1日(木)午後4時~午後5時15分
  2. 場 所 高岡市民病院講義室
  3. 出席者 ・高岡市民病院経営懇話会委員
    • 川 渕 孝 一 氏(座長)
    • 成 瀬 隆 倫 氏(副座長)
    • 河 村 拓 栄 氏
    • 川 渕 郁 子 氏
    • 髙 木 法 子 氏

    ・事務局

    • 遠山院長、薮下副院長、蜂谷副院長、増山副院長・看護部長、今井事務局長、
      崎総務課長、長田医事課長
  4. 協議事項
    1. (1)平成28年度高岡市民病院事業会計決算の概要について(資料1)
      (2)平成29年度の経営改善に向けた取り組み状況について(資料2)
      (3)平成30年度経営改善に向けた主な取り組み予定について(資料3)
  5. 委員からの主な意見・質問及び病院の答弁

(1)平成28年度高岡市民病院事業会計決算の概要について

①褥瘡発生率が増加した原因は。

〔回答〕

  • 高齢者の寝たきりの方が年々増加しているため(50~60%)。褥瘡対策チームが院内にありフォロー体制は整っているが、H28年度は褥瘡リスクのある患者が多かった。当院としては医療の質を高め、発生率を少しでも減らすように努力していきたい。

②転倒・転落発生率及び負傷率は初めて見る指標だが、若干目標値より高い。

〔回答〕

  • 全国的なレベルでは少ない値である。単位が千分率であり、そのため一人でも転落による負傷が発生すると数値がすぐに上昇する。

③日常の診療時、市民病院の内科に通院している人が整形外科に通いたいという場合に、内科の紹介状は不要と言う場面が多々あるが、整形外科の紹介状を書くと紹介率が上がる事をこの度初めて知った。
もう少し医師会等を通じてアピールしてもらうと紹介率が上がるのではないか。

〔回答〕

  • 医師会へのアピールに力を入れていきたい。現在、地域医療支援病院の認定に向けて、紹介率50%、逆紹介率70%を目指し努力しているところである。最近は、かかりつけ医を持つ意義について、患者、家族にも徐々に浸透してきていると考える。

④まずは、かかりつけ医で診察してもらうように広報誌等で周知してはどうか。

〔回答〕

  • 機会をとらえては、広報しているところではあるが、患者さんの中には、かかりつけを本院としている方もいるため、丁寧にかかりつけ医を持つメリットを説明している段階である。

⑤入院しても、病院からすぐ退院となるという話も聞いている。

〔回答〕

  • 現在国では、地域包括ケア体制の構築に向け、病院の役割分担や医療機関相互の連携強化を推進しており、そうした国の方針や本院の役割、本院が地域と連携して医療を行っていることを、十分理解いただけるよう努力をしていきたい。

⑥予経常収益の中に長期前受金戻入額と記載があるが、この数値の根拠は。

〔回答〕

  • 長期前受金(償却資産の取得等に伴い交付された補助金について負債計上している)を減価償却費の見合いとして収益化しているものである。

(2)平成29年度の経営改善に向けた取り組み状況について

①実入院患者数27→28年度比で187人増だが、28→29年度比(12月現在)で135人減少しているのは、がん患者の紹介が少ないのが原因か。

〔回答〕

  • 最新鋭のリニアックの準備に1年以上かかるため、手術後に放射線治療が必要な場合には近隣の病院に紹介することになる。また、患者家族が、最初から放射線治療のできる他院での治療を望めば他院を紹介しており、結果として入院につながらない。
    現在のがん治療は、手術後に放射線治療、化学療法を併用して行う薬学的治療となっている。そのため、放射線治療を休止している本院では必要に応じて、放射線治療を可能な病院に紹介しているのが実情である。

②全国的に見ても、実入院患者が多い病院は黒字体質になりやすい傾向にある。

〔回答〕

  • 予定入院よりも救急入院の方が若干多くなっている。予定入院が増加すれば、新規入院患者数もさらに増加すると考えられ、予定入院の増加に努めることで、実入院患者の増加を図り、経営基盤の強化を図っていきたい。なお、当院のトレンドとしては実入院患者数は以前に比べ上昇傾向にある。

③紹介・逆紹介プロジェクトの具体的な内容は。

〔回答〕

  • 紹介患者数の増加に向けては広報活動がメインであり、本院の医療の特長のPRを積極的に行っている。逆紹介患者数の増加については本院の努力でできることから、職員の意識統一を図り、複数のかかりつけ医への逆紹介など取り組みを進めているところである。
    その結果、本院が積極的に逆紹介することによって、地域の医療機関との密接な関係を築き、好循環を生んでいきたい。

④高岡市内公的4病院のうち、3病院が訪問看護ステーションを持っているが今後の予定は。

〔回答〕

  • ブレーンストーミングは行っているが、地域の方にとってどのような形が良いのかも含めて、設置を検討していきたい。

⑤がん患者は帰宅後、全く診てもらったことのない開業医へ紹介されるのが心配である。在宅移行後も入院していた市民病院の看護師が訪問して様子をみてもらえれば安心して帰られるのでは。

〔回答〕

  • 当院としては現在、緩和ケア病棟を退院した患者に対する地域医療機関等との同行訪問を認定看護師が行っているところである。また、医療機器を付けたまま退院した患者のサポートも行っており、今後もできる範囲内で増やしていきたいと考えている。しかしながら、訪問看護についてはマンパワー不足の問題もあり、検討が必要である。

⑥認知症疾患医療センターと認知症ケアチームとの違いは。
センターの中でケアチームが動いているのか。

〔回答〕

  • 認知症ケアチームは入院している患者に対して医師と認定看護師、ソーシャルワーカーなどが病棟をラウンドして認知機能をいかに低下させずに帰すことができるか取り組んでいるものである。外来など相談業務等は認知症疾患医療センターが担っている。

⑦10月に開設した認知症疾患医療センターの業務は順調か。

〔回答〕

  • 現在のところは順調である。今後も認知症に係るハブ機能として認知症患者を受け入れてもらえる医療機関や地域包括支援センターとの信頼関係構築に努めていきたい。

⑧入院している認知症患者の管理体制は。

〔回答〕

  • 徘徊防止のためドアに鈴をつけるなど対応している。また、患者家族と話し合いながらではあるが、勤務者が少ない夜間などの場合に体幹抑制等を行っている。しかしながら倫理的な問題もあるため、なるべく減らす方向である。