高岡市民病院のホームページをご覧になっていただき、ありがとうございます。

 高岡市民病院は高岡医療圏約32万人の急性期医療を担う地域中核病院であります。また高岡市唯一の自治体病院として高岡市、高岡医療圏の皆様に、安全・安心の医療を提供してまいりました。本院の使命としては、救急医療、がん医療、循環器疾患、脳血管障害、周産期医療などの急性期医療を行うとともに、精神科疾患、認知症対策、特殊感染症対策、災害医療などの民間病院では行えない政策的医療を行っていくことです。

 平成12年3月に現在の新病院を開設後、本院の基本理念である「生命の尊重と人間愛を基本に、心がかよいあう医療の提供」に基づき、5つの基本方針を掲げてまいりました。Hospitality(心のこもった接遇)、Excellent(良質な医療で健全経営)、Amenity(快適な療養環境)、Relationship(人材を育成しよりよい人間関係)、Trust(地域との信頼関係の構築)の5つの方針を合わせたHEART(心のかよいあう医療)をキャッチフレーズにし、このホームページにも取り上げてまいりました。「病んでいる患者さんに寄り添うHEARTをもとう」という考えのもと、心のかよいあう医療を提供して、患者さんやご家族、さらには地域の医療機関からも選ばれ頼られる病院づくりを目指していきたいと思っております。

 高岡医療圏における直近の課題として、少子高齢化に加え核家族化が進み、高齢者夫婦のみの世帯、高齢者独居の世帯が急激に増加しています。こうした現状を踏まえ、急性期病院で行う医療に加え、その後の在宅医療、介護サービス、住まいや食事の提供などの生活支援などを一体化して提供する、いわゆる地域包括ケアシステムの構築を地域全体で考えていかなければなりません。医療と介護、さらに生活支援も含めて統合的に推進していくためには多職種の連携が重要であり、各機関の多職種を先導していく強いリーダーシップが求められるようになると思います。今後はこうした地域包括ケアシステムの構築という観点から、高岡医療圏の中核病院として、システムの中心的役割を果たしていきたいと考えております。

 近年盛んに唱えられている働き方改革に関しても、職員全体の健康管理、労務管理を最重要課題として捉え、業務分担、組織体制、省力化のための投資を行うことが肝要と考えています。その結果として、高岡市民病院が魅力ある職場、健康な職場、持続可能で離職のない職場になり、それによって今以上に職員一丸で医療の質の向上に邁進していくことができるものと思っております。
 今後は、従来からの急性期医療、政策医療の継続に加え、地域包括ケアシステムの推進に努めることで、地域住民の皆様にさらなる安全・安心の医療を提供してまいりたいと考えておりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

2019年4月 高岡市民病院長 薮下和久