1) リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) |
肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率(%) |
694 |
624 |
89.91 |
肺⾎栓塞栓症は突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患で、しばしば⼤きな⼿術後などに発生します。この予防対策としては、弾性ストッキングの着⽤などがあり、肺⾎栓塞栓症の発⽣率を下げることにつながると考えられています。当院では、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した入院患者さんに対して、高い割合で予防対策を実施しています。
2) 血液培養2セット実施率
血液培養オーダー日数(分母) |
血液オーダーが1日に2件以上ある日数(分子) |
血液オーダー実施率(%) |
1,773 |
1,104 |
62.27 |
血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されており、当院でもその実施に努めています。
3) 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) |
入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率(%) |
532 |
454 |
85.34 |
広域スペクトルの抗菌薬が処方される場合、細菌培養検査を実施し適切に使用することが推奨されており、当院でも高い割合で検査を実施しています。
4) 転倒・転落発生率
退院患者の在院日数の総和(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数(分子) |
転倒・転落発生率(‰) |
67,599 |
169 |
2.50 |
5) 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
退院患者の在院日数の総和(分母) |
退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率(‰) |
67,599 |
26 |
0.38 |
入院中の転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。指標4は、転倒・転落により傷害には至らなかった事例も含めた発生率であり、指標5は、転倒・転落により傷害に至った発生率です。これらの指標を追跡することで、転倒・転落の発生要因を特定しやすくなり、そこから予防策を構築して実施することで、発生リスクの低減につながります。当院では、医療安全室が中心となって、発生リスクの低減を図っています。
6) 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
全身麻酔手術で、予防的抗菌薬投与が実施された手術件数(分母) |
手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率 |
– |
– |
– |
7) d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
退院患者の在院日数の総和(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率(%) |
64,682 |
7 |
0.0108 |
褥瘡予防対策は、医療機関が提供している医療の重要な項目のひとつとして捉えられているものです。当院では専従の褥瘡管理者のもと、各病棟に配置している褥瘡担当看護師が褥瘡予防対策を実施して発生率の低減に努めています。
8) 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
65歳以上の退院患者数(分母) |
入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合(%) |
4,266 |
4,180 |
97.98 |
早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮、予後改善につながるものとされており、当院では高い水準で実施しております。
9) 身体拘束の実施率
退院患者の在院日数の総和(分母) |
身体拘束日数の総和(分子) |
身体拘束の実施率(%) |
67,599 |
19,207 |
28.41 |
この指標は、入院患者さんがどれくらい身体拘束をされているかの割合を示しています。当院では、ご高齢の入院患者さんの割合が年々高くなっていることから、身体拘束最小化指針を定めるとともに専門のチームを発足させて、身体拘束の最小化に努めています。