放射線治療について

当院では医療用直線加速装置(リニアック)を用いた放射線治療を行っています。2018年7月に機器更新を行い、最新機能を持つ「エレクタ社製 シナジー(Synergy)」が導入されました。
放射線治療は、病巣部の治療に効果的な高いエネルギーのX線、電子線を用いて、細胞の分裂・増殖を抑え、病巣細胞を消滅させたり、小さくする治療法です。

放射線治療装置の機能・特徴

3種類のエネルギーのX線と6種類のエネルギーの電子線を目的の深さに合わせて使用することができます。
照射を行う標的の形に合わせた放射線を当てるために、照射野絞り機構(マルチリーフコリメータ)という5mm幅の160枚のリーフで最適な形を作る機械をもち、正常組織への被ばくを少なくすることで副作用を低減することが期待されます。

画像誘導放射線治療(Image Guided radiation Therapy : IGRT)

リニアックの回転ガントリ部に、レントゲン画像や、CT画像(コーンビームCT)を撮影できる装置を装備しており、画像誘導放射線治療(IGRT)が行えます。

画像誘導放射線治療とは放射線治療の前にあらかじめ撮影した画像と毎日の放射線治療の直前の画像を重ね合わせることで、体の位置を補正し、放射線を正確に照射する精度を上げる技術です。

患者さんが治療を行う直前に治療ベッドに寝たままでCT画像を撮影し、治療計画時のCT画像と、治療直前に取得したCT画像の重ね合わせにより、治療する部位の位置ずれ量を求め、治療寝台の位置補正(縦、横、高さ方向の移動に加え、それぞれの方向の回転角度を補正することができる6軸の補正)により、正確な位置合わせを治療直前に行うことができます。

体表面光学式トラッキングシステム「Catalyst」

Catalystは、放射線を使用せずに、患者さんの体表面をモニタリング(頭側方向130㎝の体表面を連続的に測定)する機能となります。放射線を使用しないので、毎回の治療時に使用しても、被ばく等を考慮する必要はありません。

照射中のモニタリング機能

照射中の体の表面をモニタリングすることにより、患者さんの急な動きも感知し、設定範囲から外れた場合は、放射線の照射を停止させます。
この機能を使用することで、これまで以上に安心・安全な放射線治療が可能となります。

照射前の位置合わせ支援機能。(Surface-IGRT)

体の表面のマークでの位置あわせだけではなく、治療計画時のCT画像の輪郭と治療時の体の表面のライブ画像を比較したセットアップのサポートが可能となります。

4次元コーンビームCT(4D-CBCT)による寝台補正機能「Symmetry」

肺腫瘍など呼吸性移動を伴う腫瘍に対する放射線治療において、4D-CBCTを撮影することで、適切な呼吸性移動を加味した標的体積の設定ができます。さらに治療直前にもターゲット位置確認、修正を行うため、息止めなしの照射でありながら、正常組織への不必要な被ばくを低減することができます。

先生

今後ともスタッフ一同、患者さんと常に必要なコミュニケーションをとりながら、安心して治療に臨んでいただけるよう努めます。