標準12誘導心電図検査

標準12誘導心電図検査心臓の状態をみるもっとも基本的な検査です。
両手、両足、胸部に電極を装着して心臓からの電気信号を記録します。
ベッドにリラックスして寝ていただいた状態で、安静時心電図検査を行います。検査は準備も含め5分ぐらいで終了し、まったく痛みを伴いません。

手術前検査や入院検査時としても行われます。
不整脈・心筋梗塞・狭心症などの病気の診断に使われます。

運動負荷心電図検査

安静時では分からない虚血性心疾患(労作性狭心症)の判定に有用な検査です。

この検査は坂道を登る・急ぎ足で歩くといった日常生活の中で現れる胸痛・動悸・息切れなどの症状を再現し、その時の心電図変化と血圧の変化をみて、運動中の心臓の状態を調べる検査です。心臓が悪くなると安静にしているときは症状がなくても、運動して心臓に負担がかかると不整脈や心筋に血液が十分に行かない状態(虚血といいます)が起こり、心電図に変化がでます。

マスター2階段法

一定時間に規定速度で階段昇降運動をしていただきます。
運動の前後で心電図を測定し、心電図波形の変化を調べます。
運動中、胸に痛みや違和感が生じたり、足や腰などに痛みが生じたりした場合には、すぐに申し出てください。

トレッドミル負荷

運動負荷心電図検査 トレッドミル電動式のベルトコンベア―の上を歩く運動を行い、心臓に負荷を掛けて心電図変化を調べる検査です。

 

注意

検査を受ける際の注意

  • 検査時極端な空腹状態は避けてください。
  • 運動のできる服装でお越しください。

ホルター心電図検査

ホルター心電図検査

服を着てしまえば外からは分かりません

症状がある方の、不整脈の診断や虚血性心電図の変化を観察するための検査方法です。 患者さんには胸部に電極を貼った状態で腰に携帯型の心電図記録機を装着していただきます。
いつもと同じ生活をしている間の心電図を記録し、日常に出現する患者さんの症状と心電図との関連が無いかどうかを確認いたします。

胸部症状があるときに心電図変化がみられなければ、その症状のほとんどが心臓以外からの症状であることが考えられます。いつも皆様を煩わせている症状が、心臓によるものなのか否かを明確にするために行う検査です。

注意

検査を受ける際の注意

  • 記録機・電極・コード類は不必要にさわらないようお願いします。
  • 検査中の行動制限は殆どありませんが、機械の故障につながりますので、お風呂・シャワーはご遠慮頂いております。
  • 行動の記録の記入(薬・トイレ・食事・飲酒・タバコ・起床就寝など)
  • 症状の記録の記入(内容・時間)
  • 記録装置の取り外しのため、翌日も続けてご来院いただきます。

24時間血圧計検査(ABPM)

この検査は、主に高血圧の診断・治療コントロールを目的としており、日常生活中の血圧を24時間にわたり
小型の携帯型血圧計で記録し血圧の変動を見る検査です

24時間血圧計検査(ABPM)

本来血管の壁は弾力性がありますが、高血圧状態が長く続くと、血管はいつも張りつめた状態におかれ、血管は次第に厚く、硬くなります。これが高血圧による動脈硬化です。
動脈硬化は、大血管にも小血管にも起こり、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、腎不全などの原因となることがあります。

また、高血圧が続くと、心臓は高い血圧に抵抗するために無理がかかり、心臓肥大を引き起こし、心不全になることもあります。
定期的にカフが自動で締まり血圧を測定しますので、血圧測定中は安静を保っていただきます。

注意

検査を受ける際の注意

  • 血圧の測定は、日中は30分間隔、夜間は60分間隔に行います。
  • 検査中の行動制限は殆どありませんが、お風呂・シャワーはご遠慮ください。
  • 行動の記録の記入(薬・トイレ・食事・飲酒・タバコ・起床就寝など)
  • 記録装置の取り外しのため、翌日も続けてご来院いただきます。

自律神経機能(CV-R-R)

糖尿病の自律神経障害に有用な検査です。
心電図の R 波の間隔を100心拍ないし1分間測定する検査です。
安静な状態と 深呼吸をしたものを記録します。

動脈硬化検査(血圧脈波検査)

動脈のつまり具合や血管の硬さをみて、動脈硬化の程度を調べる検査です。
動脈硬化とは血管の内壁にコレステロールなどが貯留して血管が狭くなった状態をいいます。
動脈硬化の進行を放置していると、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血、閉塞性動脈硬化症などを引き起こす原因につながります。

動脈硬化検査(血圧脈波検査)検査はベッドに横になった状態で行い、両腕両足首の4カ所に血圧計と心電図電極を付け、胸に心音マイクをつけて測定します。薄手の服ならそのままで測定できます。検査時間は準備も含めると10分ほどです。

*ABI(Ankle Brachial Pressure Index)
上下肢血圧比(上腕の血圧に対して下肢の血圧の比)で、動脈硬化や下肢動脈の狭窄閉塞の程度を評価する指標です。運動負荷によりABIの変動を調べる場合もあります。

*CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)
大動脈を含む「心臓(Cardio)から足首(Ankle)まで」の動脈(Vascular)の硬さを反映する指標(Index)で動脈硬化が進行するほど高い値となります。

サーモグラフィー検査

サーモグラフィーとは、人体の表面温度分布を画像化する検査です。
当検査室では赤外線カメラで、体表面から放射される赤外線を計測記録します。
血行障害、代謝異常、慢性疼痛自律神経症状、炎症、腫瘍、体温異常などを調べます。

超音波検査

超音波(エコー)検査は、耳に聞こえないくらい高い音(超音波)を体表から発信し、反射して返ってくる超音波を解析することによって、臓器の映像をつくり出し内臓や組織の様子を調べ診断します。カラードップラと呼ばれる方法を利用すると血液の流れも診断することが出来ます。超音波検査は人体に無害で痛みも伴わない安全な検査です。

心臓超音波検査

経胸壁心臓超音波検査

超音波を出すプローブを胸壁に当てて、心臓の形や大きさ、動きを観察し、心臓内を流れる血流の速さや逆流の有無、程度などを計測し心臓の機能に異常がないか調べます。
心筋梗塞や弁膜症、先天性心疾患などの疑いがないか調べることができます。

経食道心臓超音波検査

プローブを飲み込んでいただき、食道の中から超音波を当てて心臓を観察します。体表では肺や骨が邪魔をして見えにくい場合でも、食道内から観察することでより心臓の観察をすることができます。

血管超音波検査

頸動脈超音波検査

脳へ血液を送る動脈(頸動脈)が動脈硬化で狭くなっていないか、血液の流れが悪くなっていないかを調べます。

下肢動脈超音波検査

脚の先まで血液を送る動脈が動脈硬化によって、狭くなって引き起こされる「閉塞性動脈硬化症」の疑いがないか調べます。

下肢静脈超音波検査

長い時間足を動かさないために、静脈の血液がうっ滞し血の固まり(血栓)を形成することによって引き起こされる「深部静脈血栓症(DVT)」、さらにその固まりが肺の動脈に詰まって引き起こされる「肺血栓塞栓症」の疑いがないか調べます。

腎動脈超音波検査

腎臓へ血液を送る動脈(腎動脈)が狭くなっていないか、また腎臓内の血流が悪くなっていないかを調べます。

腹部超音波検査

肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・前立腺などの臓器の形態的な変化や腫瘤などの有無について調べる検査です。

注意

検査を受ける際の注意

  • 腹部超音波検査のみ、絶食が必要です。
    食事をすることにより胃や腸からガスが発生し観察しにくくなります。
  • 尿がたまっている方が観察しやすいので排尿はできるだけ避けて下さい。
  • 検査時、ゼリーを使用しますので、服に付着する事があります。
    ゼリーが付着してもかまわない服装で、ご来院下さい。

呼吸機能検査

呼吸機能検査肺の大きさや気管支の異常、肺のガス交換能力を調べる検査です。
マウスピースを口にくわえて、「息を吸って吐いて」等の掛け声に合わせて呼吸をしてもらいます。苦痛はありませんが、患者さんのご理解とご協力(最大限の努力)が必要で、検査結果に影響を及ぼします。慢性気管支炎、肺気腫、肺線維症など病気の早期発見、診断に役立てます。また手術前検査としても行われます。

脳波検査

寝ているときも起きているときも、脳の中は常に微弱な電流が流れています。
頭皮に電極を付け、脳の微弱電気信号をひろって機械で増幅させ波形として記録したものが脳波です。
脳波は年齢や睡眠の深さなどで変化します。

脳波検査てんかんをはじめ脳腫瘍や意識障害、脳炎などが疑われる場合に有用な検査です。
検査は電極を頭に付け、ベッドに横になり、目を閉じた状態で行います。
脳に刺激を与えるために途中目を開けたり、光刺激や深呼吸といった負荷(賦活)を掛けますが体に影響はありませんのでリラックスして検査を受けて下さい。

検査にかかる時間は、電極の装着や取外しも含めて30~40分位です。

注意

検査を受ける際の注意

  • 一端検査に入ると途中で出ることは出来ませんので予めトイレなどは済ませて置いて下さい。
  • 当日は髪に整髪剤などをなるべく付けずに御来院下さい。
  • 睡眠脳波検査の方(主に小児の場合)は、前日の睡眠を短めにお願いします。

神経伝導速度検査

神経伝導速度検査運動障害や知覚障害がないか、またはその原因を調べる検査です。ベッドに横になった状態で手や足の神経を電気で刺激し、その刺激が伝わる速さや伝わり方を調べます。検査中は電気刺激でぴりぴりとした感じや痛み、違和感があるかもしれませんが、人体に無害なので安全な検査です。糖尿病の方、手足のしびれや脱力感がある場合、末梢神経障害が疑われる場合などに行われます。

聴性脳幹反応(ABR)

音刺激を用いて聴神経を興奮させて得られる反応で、聴神経から脳幹の働きを調べる検査です。難聴や脳幹障害を調べます。

体性感覚誘発電位(SEP)

末梢神経から感覚神経と神経中枢の働きを調べる検査です。

針筋電図

針筋電図検査は筋肉そのものの疾患か、筋肉を動かしている神経の疾患かを識別、またその障害部位や程度などを調べます。
針を用いて検査をしますので、痛みを伴います。

睡眠時無呼吸検査

睡眠時無呼吸検査

終夜ポリグラフ(PSG検査)

睡眠時無呼吸症候群を診断する上で大切な検査です。検査は一泊入院して寝ている間に行います。睡眠の深さや呼吸の状態、いびき、体の動きを調べるために、患者さんの手足や頭にいくつかの電極や装置をつけた状態で一晩寝てもらい、睡眠中の様々な信号を解析して診断します。

簡易スクリーニング(アプノモニター)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがないか簡易的な方法で調べるスクリーニング検査です。
機械を持ち帰り、ご自身で装着していただくことで、自宅で検査を行うことが可能です。

Cpex(心肺運動負荷試験)

エルゴメーターを用い、呼気ガス分析を併用して行う運動負荷検査です。
心臓リハビリのひとつで、安全な運動負荷量を調べることができます。