生化学検査
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みなさんから採血された血液からどんな検査ができるのでしょうか?
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生化学検査では主に、血液の「血清」といわれる部分を用いて検査を行います。
検査の内容は、肝機能、腎機能、脂質、膵臓機能、電解質代謝、糖尿病検査など検査をしています。
検査の項目によっては、食事の影響を受けるものもあるので、空腹時の採血が望まれます。ここで行われている検査は、臨床診断、治療の経過を診るのに不可欠な検査です。
機械の紹介

生化学自動分析装置(ZS050-1号機、ZS050-2号機)
検査が止まる時間がないように2台体制で運用しています
免疫血清検査
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『免疫』とはなんでしょうか?
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私たちの生活する環境には、ウイルスや細菌などの、病気を引き起こすさまざまな病原体が存在します。そのような環境下で体を守る防御機能を、『免疫』といいます。また、この『免疫』の仕組み(抗原と抗体の関係)を利用した、色々な成分の測定も行っています。
1.感染症関連
B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、SARS-CoV2(新型コロナウイルス)の感染症検査を行います。
2.悪性腫瘍関連
『腫瘍マーカー』という、さまざまな悪性腫瘍特有の成分を測定します。
3.甲状腺関連
甲状腺ホルモン(FT3、FT4、TSH)を測定します。
4.心臓病関連
心筋梗塞や心不全の目安として、トロポニンT、CK-MB、Nt-ProBNPを測定します。
5.糖尿病関連
血液中のインスリン濃度を測定します。
機械の紹介

免疫化学分析装置(コバスpro e801)
血液学的検査
1.血液一般・形態検査

多項目自動血球分析装置(XR1500)
(1) 末梢血検査
- 赤血球数(RBC)
- ヘモグロビン濃度(HGB)
- ヘマトクリット(HCT)
- 白血球数(WBC)
- 血小板数
- 網状赤血球数
(2) 末梢血液像
血液中には白血球という細胞があります。これは大まかに5種類(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)に分けられます。この5種類のうちのどの細胞が増えているかまた異常な細胞がないかを調べます。
(3)骨髄検査
骨髄と呼ばれる骨の中心部では、赤血球、白血球、血小板の元になる細胞が毎日造られています。
骨髄検査をすることで、骨髄の造血機能や血液疾患の原因、腫瘍細胞の転移などを知ることが出来ます。
2.出血・凝固系検査
出血がおこると生体の防御反応として出血を阻止する機構が働きます。
この止血機構のどこかに異常があれば、出血は止まりにくくなり、また大した外傷がなくても出血してしまいます。このような出血の原因、解明のためにつぎのような検査をしています。
- プロトロンビン時間(PT)…心筋梗塞、脳梗塞などの抗凝血薬の治療のモニターとして
- 活性トロンボプラスチン時間(APTT)
- フィブリノーゲン(Fbg)
- フィブリノーゲン分解物(FDP)
- アンチトロンビン(AT)
- Dダイマー
機械の紹介

全自動血液凝固線溶測定装置(CN-3000)
一般検査
1.尿検査
体の健康状態をおおまかに検査することが出来ます。尿中に含まれる蛋白、糖、潜血など試験紙を用いて検査をします。さらに尿を遠心分離して沈渣に含まれる細胞成分を調べることで腎炎、膀胱炎の情報が得られ、時には悪性腫瘍の情報も得られることもあります。
2.便潜血検査
便に含まれるヘモグロビンを測定し、消化管からの出血でないかを検査します。
大腸癌検診のスクリーニングとしておこないます。
3.脳脊髄液・穿刺液(胸水・腹水)検査
脳脊髄液は、脳や中枢神経を覆っている脳脊髄液の細胞の数やタンパク・糖の濃度などを測定し、髄膜炎や脳出血の有無を調べます。穿刺液では、性質を調べることで病期の診断補助や治療経過を知ることが出来ます。
機械の紹介

全自動尿分析装置 Novus

全自動尿中有形成分分析装置 UF-1000i